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ゆっくりと扉を開けて俺たちは部室に戻ってきた 中ではそれぞれがそれぞれの指定席に座り、…朝比奈さんは立っているのが指定に近い感じがするのだが いつもどおりの、古泉は微笑、長門は無表情、朝比奈さんは怯えた表情をしていた …あれ?いつもどおりじゃない人間が一人いるな、たまになら見るが、朝比奈さんは何に怯えているんだ? …あぁそうか、そうだよな 朝比奈さんは俺にキスしたんだった そりゃ、ハルヒに何されるかわかったもんじゃない ま、予想どおりといったところだろうか、ハルヒが朝比奈さんの方を向いて話し掛けた 「みくるちゃん」 それは普段のハルヒからは想像しがたい優しい声だった まるで母親が自分の子供をあやすような それでも朝比奈さんはびくっとしていたがな 「ありがとう、ね」 いったい、何がありがとうなんだ? 誰か俺に説明してくれ …あとで古泉にでも聞くか それを受けた朝比奈さんは溢れんばかりの満面の笑みで元気よく 「はい!」 とだけ言った そのあとだが、恐らく今回は大体を知っていたであろう未来人・朝比奈さんが持っていたバスタオルで体を拭いたあとハルヒは朝比奈さんの、俺は古泉の持ってきていた着替えに着替え、団活を開始した この準備の良さをみると、古泉も知ってやがったな 八つ当りとは言わないが、いつもどおり、俺は古泉とのボードゲームに連勝し、長門は本を読みふけ、朝比奈さんは給仕にいそしみ、ハルヒはネットサーフィンに興じている 対戦中、何度かハルヒと目が合ったのは心にしまっておこう やはり、いつもどおり長門が本を閉じる音で部活が終わる なんかいつもどおりの一日だったな、確かに世界は急に色を変えないよな それが変わっていたら8割方ハルヒのせいだ 部室をでたあとハルヒが手を握ってきた 俺は少し慌てたがもう3人とも知っているんだろうな、と考えそのままにした 5人で歩く帰り道、いつもは先頭にいるハルヒは一番後ろの俺の横で少しはにかみながら歩いている 代わりに先頭を行くのはハードカバーを文庫本に持ちかえ、それを読みながら歩いている長門で、その後ろで古泉と朝比奈さんが談笑しながら歩いている 幸いにも雨は止み、控えめに赤い太陽が顔を出している 横を見れば顔を朱に染めたハルヒがちゃんといる 俺はハルヒに耳打ちしていた 「そっと抜け出さないか?二人で」 ハルヒは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに100Wの笑顔に戻すと大きく頷いた 長門にはバレていただろうが、いやもしかしたら全員にバレていたかもしれない 前の3人に気付かれないよう、こっそり脇道にそれた そのまま歩いて辿り着いたのは、この春休みに思い出深い、花見と、ハルヒの告白と…長門のマンションの近くの公園 桜達は、すでに花びらを落とし、早くも来たるべき夏に向けて準備をしていた しかし、抜け出してきたのはいいが、いったい何をしたらいいんだろうな とりあえず、ラブラブしたらいいんだろうが、そんな経験がない俺には何をもってラブラブというのかわからん 「おっ!キョン君にハルにゃんじゃないかっ!!」 突如後ろから聞き慣れた元気な声が聞こえる 振りむけばやはりというか鶴屋さんだった 「手なんかつないじゃって、ラブラブだね!お姉さん少し羨ましいにょろよ?」 ハルヒは照れている 顔が真っ赤だ 恐らく、冷静に観察してる俺も真っ赤だろう 「ええ、付き合うことになったんです」 それでも俺は某3倍早いMSのように赤いであろう顔に押さえ込まれないよう、できるだけ冷静を保って言葉を出す しかし、それも無駄な努力だったようで鶴屋さんは腹を抱えて大笑いしていた 「あっはっはっは!…そんな真っ赤な顔で…ぷぷ…真面目に言われてもねぇ…はっはっは…まぁ末長くお幸せに!これは鶴にゃんからの贈り物っさ!」 鶴屋さんはそう言って何かを俺の手に握らせる 「ハルにゃんを泣かせたらあたしが承知しないよ~!」 走りさりながら手を振る鶴屋さんを見送ったあと俺は手の中のものを確認した それを見た俺は苦笑する以外に選択肢はなく、覗き込んできたハルヒは顔をさらに赤くしていた 鶴屋さんはなぜ、こんなものを持ち歩いてあるのだろうか 俺はその0.03㎜の贈り物を使う日がいつ来るか考えていた
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今日もハルヒの声が聞こえる。 「風邪を引くなんて、気合いが足りないのよっ!」 おいおい、その台詞は医者の言う台詞じゃないぞ、ハルヒ。 「その程度の風邪で薬なんか要らないわっ!気合いで寝て治しなさい!」 もう少し、優しく言った方がいいんじゃないか? 「今の段階では、安静にして養生するのが一番です」って感じで。 「まあまあ、ああいう話し方こそ涼宮さんらしくていいんじゃないでしょうか?」 お前はいつまでハルヒの太鼓持ちをするつもりか? 俺が言っているのは「ハルヒらしさ」の問題じゃなくて、「医者らしさ」の問題だぞ? 「ははは、でも、あなたも随分医者らしくない感じですよ?」 確かにな。「キョン先生」はないだろう。院内放送でもそう呼ばれたぞ。いつまでこのあだ名がついて回ることやら。やれやれ。 説明しよう。 高校時代、ハルヒの特訓のおかげで成績を持ちなおすどころか、大飛躍させた俺は、何を考えたのか近くの医大になんか受かってしまった。なぜかハルヒも一緒だがな。 だが、一年先に卒業した、麗しのマイ・スウィートエンジェル・朝比奈さんは何故か看護学校に行っていた。 打ち合わせ不足が原因だろう。なにより、俺の成績が医学部に行けるほど上がるとは、俺自身も思わなかったしな。 朝比奈さんに「ひどいですぅ、、なんで教えてくれなかったんですかぁ?」と涙目で言われたときには、何とも言いようがなかったな。 で、朝比奈さんの方が先に卒業して看護婦として就職したわけだが、就職先が例の機関の病院とはな。古泉が手を回したのか。 俺たちもなにやらかにやらやらかしながら、どうにか医大を卒業し、医者になったわけだが、研修医としてつとめたのが、機関の病院だぜ?そのときのあいつの台詞を思い出すな。 「そちらの方が何かといいのではないですか? 我々にとっては涼宮さんの監視には非常に都合がいいわけですし、なにより、あなた自身が涼宮さんと.....」 これ以上言うな。大体お前の言いそうなことは想像できる。 と言うわけで、冒頭の台詞に戻るわけだ。 ちなみにハルヒも俺も長門も古泉も内科だ。ここまで合わせなくてもいいだろうとは思うがな。 ああ、言っておこう。朝比奈さんはハルヒの診察室付きだ。あのコンビで良く診療が出来るものだ。いや、心配なのは朝比奈さんのことじゃないぞ。ハルヒの方だ。 まあ、どじっこナースな朝比奈さんが今まで医療ミスを起こさずに来れたのも奇跡としか思えないがな。さて、ハルヒ大先生の診察室でも覗いてみるか。 「あ、キョン!丁度いいところに来たわ!」 ハルヒよ、 いいところ とはどういうことだ? 「ねえ、この病院の白衣ってイマイチじゃない!これじゃ、みくるちゃんの魅力も半減よ!?」 そんなこと言ってもしょうがないじゃないか。それが制服ってもんだろう。 「この馬鹿キョン! それだからあなたは医者になっても雑用係のままなのよ! いい?制服やルールって物は、都合が悪くなったら、変えてしまえばいいのよっ!」 で、もう一度聞こう。 いいところ ってなんだ? 「で、みくるちゃんのために新しいナース服を用意したのよ。キョン、よーく見なさいっ! みくるちゃん、入っていいわよ!」 「は、はーい.....」 正直、たまりません。 「ちょっとキョン!何いやらしい目で見てるのよ!」 やれやれ。おまえは見ろと言ってるのか見るなと言ってるのか、どっちなんだ? それより不思議なのはあの寡黙な長門さえも外来を担当していると言うことだ。何故か患者がすぐに良くなると言うのですごく人気だ。 医者としての知識は確かに長門が最優秀だ。しかし、あの宇宙的パワーで情報改変をしているのではないだろうか? ちょっと診察室を覗いてみようか。おや、診察中のようだ。 「胃の調子が悪いのですが...」 「あなたは胃癌。」 おい、長門!いきなり診断をつけるな!普通は胃カメラやらレントゲンやらで見つける物だぞ! 「......大丈夫。生体情報をスキャン。胃に早期の腫瘍を発見した。胃カメラを使わなくても分かる。」 いや、でも、検査をせずにいきなり病名を告げられるのはどうかと思うぞ? 「......そう。」 で、治療はどうするんだ。外科に頼んで手術の手配をしないとな。 「必要ない。腫瘍の情報結合を解除した。もう治っている。」 で、このぽかーんとした顔をしている患者をどうするんだ? 「記憶を修正。胃炎の薬を処方して帰ってもらう。」 やれやれ。宇宙的パワー全開だ。 古泉の野郎はあの0円スマイルでずいぶんと患者に人気がある。まあ、病院に来るのは年寄りばかりだから、婆さんに人気があると言ってもいいだろう。 「そういうあなたこそ優しくて人気があるのですよ?みなさん、慕ってくれているじゃないですか。」 うるさい。顔を近づけるな。そもそも慕ってくれていたって、俺の本名を知ってる患者は1割もいないんじゃないか? ピンポーン「内科のキョン先生、内科のキョン先生、病棟にご連絡ください」 やれやれ。仕方がない、仕事に戻るか。 ---end. 続かない。
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自枠でのルール こちらでは僕がニコニコ生放送で放送しているときにリスナーさんに守ってほしいことをまとめています ツイッターのルールはここをクリック ルール ニコ生内での常識ルールから自分流のルールまであります。絶対守ってください 1.顔コテ(自分だけの顔文字 僕だと→「(葉ノ◕ω◕)ノ」)の使用を禁止します 理由:かまってちゃんアピールをしてほしくないから どうしても顔コテ使いたい方は ツイッターなどで許可のリプをください。 そして顔コテを使うなら、枠の最初から最後まで顔コテをコメントに入れてください 気まぐれ的な行為は大嫌いです。 2.リスナー同士でコメントしあわないでください 理由:エスカレートして枠中ずっと話されると放送しづらくなってしまうから 話したいんだったらスカイプでイチャイプでもホモイプでもなんでもしてください ここではほぼ禁止です コメントの質問に答えるようなコメントはして構いません 3.自己中心的、話からまったく反れる話は禁止します 理由:話がそれるとこっちとしても処理が追いつかないから その話が終わったらその話をふっかけて下さい 4.コメントコマンド(色コメント、コメントの拡大縮小)は禁止 理由:かまってちゃんアピールをしてほしくないから 顔コテと同じです 使いたいなら許可とってください 枠の最初から最後までそのコマンドを使い続けてください。 ただし、装飾弾幕などのときは 全然使って構いません(速報弾幕などは禁止) 5.「・・・・・・」のコメントをしないでください 理由:どう対応すればいいか分からない やめてください 以上です それが守れる方は思う存分放送を楽しんでいってくださいね
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涼宮ハルヒの終焉 プロローグ 学年末の幽霊騒動も終了し、なんとか留年を避けた俺は新たな2つの懸案事項を抱えていた。 昨日まで冬休みだったのだが結局ハルヒに振り回されすぐに終わっていた。 なぜか俺の目にはハルヒが無理しているように見えた、今度古泉にでも聞いてみようと思う、きっと気のせいだと思うが…。 俺が抱えている懸案事項とはそのことではない。 1つは今日は始業式だ。そして昨日は入学式だったのである。 ということはSOS団に新入部員が入るかもしれないということなのである。 まあどうせ傍から見たらただのアホな団体にしか見えんだろうから誰も入らんと思うが… しかしハルヒのことである、どうせ1年生全員をSOS団にいれるわよとか言い出すかもしれない。 1年前の春のようにバニーガールでビラを撒き始めるかもしれない。 また朝比奈さんのバニーガール姿が見れるということはうれしいのだが、 入学して早々美人二人がバニーガール姿で入団をしろと言ってくるんだ、 断る理由はどこにも無い、何か変な勘違いをして1年生男子全員が入団してきても何もおかしくは無い。 ハルヒは喜ぶだろうが、ハルヒを除く4人の団員は迷惑するに決まっている。 ハルヒがそんなことを言い出したら確実に阻止せねば。 そして2つ目始業式といえばクラス変えだ、 俺はきっとハルヒに望まれ同じクラスになるんだろうが…、また面倒なことになるんだろうと思う。 ここで思い出して欲しいのだが俺には中学からの友達と1年のとき同じクラスだった奴等と長門と古泉ぐらいしかまともな知り合いはいない。 そしてハルヒのとんでもない行動のせいで中学からの友達からはまるで山から下りてきた雪男を見るような目で見られている。 当然全然知らないやつらからもそんな目で見られているのだ。 もしハルヒと全然知らないようなやつしかいないクラスになってしまえばもう暗い2年生を送るしかあるまい。 せめて谷口や国木田も同じクラスになるようにしてくれないか?ハルヒ などと考えつつ俺は教室のドアを開けた。 第一章
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それはとある日曜日の朝のこと ハルヒに用事があるとのことで町内不思議探索は中止となり 布団に包まって気が済むまで寝ようとしていると携帯が鳴った ハルヒか?と思ってディスプレイを除いてみたが電話番号が表示されるだけで名前がない つまり電話帳に登録していない奴から電話がかかってきたと言うわけだな すでに5秒ぐらい着メロが鳴り続けているからワン切りでも無さそうだ これ以上鳴らして相手に迷惑をかける訳にもいかんだろう、間違いだったらその旨を伝えればいいだけだしな 「あ、もしもしキョンさんですか」 通話ボタンを押すと女の声が聞こえてきた 俺のあだ名を知ってると言うことは少なくとも間違い電話ではないと言うことだな もしこれで間違いだったらそのキョンとあだ名を付けられたやつに同情しよう 「え~っと失礼ですがどちら様で?」 「あ、ごめんなさい私は吉村美代子です」 思い出した、妹とは同級生だがとても同じとは思えないほどに大人びた容姿をしている娘だ 通称 ミヨキチ 、最後に合ったのはかなり前だ忘れてても仕方ないだろう 「あぁ君か、久しぶりだね、確か去年の3月の終わり以来か」 去年の3月の終わり俺とミヨキチは映画を見に行った、詳しくはSOS団の発行した部誌を見てくれ 「はい、お久しぶりです。」 「それにしても俺の携帯番号なんてよく解ったね」 「あ、はい妹さんから聞いたんです」 なるほどね、だがミヨキチぐらいなら教えてもかまわんがあまりいろいろな人に教えるなよ妹よ 「それで今お暇でしょうか?」 「あぁちょうど予定が無くなったんでね暇を持て余していたところだ」 「もし宜しければ今日1日私に付き合っていただけませんか?」 「あぁ別にかまわないよ、また映画かい?」 「はい、迷惑でしょうか?」 「意や別にかまわないよ、最近映画を見ていなかったしたまに見るのもいいだろう」 「よかった、ではよろしくお願いしますね」 それから彼女は前回と同じようにこちらの予定を気にしながら待ち合わせの場所と時間を提案した 今回は普通の駅前の映画館で問題ないらしい 「急な電話すみませんでした」 「いやいや別にかまわんよ」 低姿勢なのは変わらないな、まぁ変わる必要もないが それから軽く準備をして念のため待ち合わせ時間の1時間前には家を出る とりあえずこの時間なら途中何らかのトラブルがあっても大丈夫だろう 「あれ~キョン君どっか行くの~?」 家を出ようとしたら妹が声をかけてきた 「あぁミヨキチに映画に付き合ってくれないかって言われてな」 「そっか~がんばってね~」 何を頑張れと言うのだ妹よ、それに古泉みたいににやけるな気味が悪い それにしてもこいつの事だから「あたしも行く」とか言いかねないと思ったのだが 言われなくて安心したよ、もし行く事になったら代金は俺持ちになるだろうからな そして自転車を漕ぐ事30分待ち合わせ場所近くの駐輪場に到着 前に自転車を撤去されたことがあったからな、路上駐車はやめることにした そして待ち合わせの場所に歩いていくとミヨキチはすでに到着していた まだ30分も前だというのにいるとはなどうやら俺は待ち合わせに相手より先に着くってことに縁が薄いらしい 「早いねもう来てたのか」 「いえ今来たところです」 とてもじゃないが妹と同級生には見えないな、下手すると朝比奈さんよりも大人に見える 「それじゃちょっと早いが映画館の方に移行か」 「あ、はい」 「今日はなんて映画を見るんだい?」 「あ、×××××ってのが見たいと思ってるんです」 その映画の名前を聞いてちょっと違和感を感じた 何も変な映画だとかそういうのじゃない、普通の映画だ ただ問題なのは普通の映画だからだ、前回のようにPG-12などの規制がかかってるわけでもない このぐらいの年なら普通に見たいと思っておかしくない映画だ、これだと俺をわざわざ誘う必要もない まぁ彼女には彼女なりの理由があるのだろう、詮索はここまでにしていた方がいいな そのあと券を買う際に代金はどちらが払うかと言うことになった 俺が2人分払うと言ったのだが結局はそれぞれ自分の分を自分で払うことになった 全く、別に遠慮する必要はないんだがな しかし久々に映画を見るのもいいものだな、最後に見た映画が文化祭のSOS団の映画だからなお更だ SOS団でもこのぐらいの映画が作れればと思ったが監督が監督だ、まず無理だろうな 映画を見終わって外に出ると空が暗くなりかけていた 本人はいいと言っていたがさすがに一人で返すわけにも行かないので家まで送っていくことにした 送っていくことにしたのはいいのだがなぜかミヨキチはさっきから無言だ チラッと横を見ているとどうやら俯いている、俺なんか悪いことしたか? しばらく歩いていくと見覚えのある人物に出会った 「お、ハルヒじゃないか」 「ん?キョンじゃないの何して…そちらの方は?」 「あぁ妹の同級生のミヨキチだ、今映画を見てきたところだ」 「あらそう、よかったわね。私お使いがあるからもう行くね」 なんだ?ハルヒの奴機嫌が悪そうだったな、何かあったんだろうか 「あのキョンさん今の人は…?」 「あぁ俺が入ってるSOS団っていう団の団長だ」 そういうとミヨキチは何かを考えるそぶりを見せた後 「あの、キョンさん今の方に伝言をお願いできますか?」 「あぁ別にかまわないが知り合いだったのか?」 「いえ、そういう訳ではありませんが『負けません』と伝えてもらえますか?」 「解った伝えておこう」 「それでは私の家はすぐそこですので、今日は本当に有難うございました」 そういうとミヨキチは小走りで自分の家のほうに走っていった 「負けません」か…あいつらなんかの勝負でもしてるのか? 俺には伝言の意味がよく解らなかったが俺に対する伝言じゃないんだ別に問題ないだろう 気が付くと太陽はもう殆ど沈んでおり俺は自転車を家の方向に向けてペダルに力を入れた
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―――― 修学旅行 一日目 そうこうしているうちに修学旅行初日を迎えてしまった。あれからというものハルヒは 憂鬱とは無縁の一週間を過ごしていた。だからって俺をこき使うのだけは勘弁してほしい んだがな。離陸前の飛行機の中でもハルヒは、 「この飛行機落ちないかしらね。」 とか言っていた。ホントに落ちるから勘弁してくれ。俺はまだこの年では死にたくない んだがな。しかしハルヒとなら墜落しても次の日の新聞には”飛行機墜落、生存者4名” という見出しが紙面を飾りそうだ。そんな気がするのはなぜだろうか。 飛ぶこと数時間。俺たちは台北に降り立った。空はどこまでも青く透き通っていた。二 年生約三百五十人がひとつの飛行機で台湾に行くのは無理なため関西国際空港からの直 通組と広島空港経由組、福岡空港経由組に別れ台湾桃園国際空港へ向かうことになった。 俺とハルヒ・長門が所属する一組、古泉が所属する九組は福岡空港組であったために台 湾への到着は一番遅く、入国手続きを済ませ集合場所となっていたメインターミナル向 かうとそこは北高生であふれていた。 点呼と簡単と簡単な連絡を済ませた後、空港ビルの外へ出た。九台のバスに分かれて乗 り込み最初の目的地である台北101ビルへと出発した。バスガイドさんはなかなかの美 人で早くも谷口が話しかけている。それを眺める俺の横で、 「ニヤついてるんじゃないわよ。バカ・・・」 とハルヒがつぶやいたように聞こえたのは気のせいだろう。そんな台詞は何百回と聞か せられたからな。 バスから眺める台北の街には数々の高層ビルがそびえ立ち大阪や東京と比較してもまっ たく遜色はない。その高層ビル群の中でも頭ひとつ抜け出している台北101ビルは地上 508メートルで現在世界で最も高いビルである。ビルは台湾ならどこからでも見えるの ではないか?と思うほど空を真っ二つに割るようにそびえ立っていた。 ビルに入ると岡部が簡単な注意事項、夕食の集合時間をを告げ、俺たちは自由行動とな った。 「ねぇ、キョン。」 ハルヒが俺に話しかけてきた。 「どうした?ハルヒ?」 「一緒に展望台に行かない?」 正直な話、高いところはあまり好きでは無い。馬鹿と煙は高いところがなんとやら。ハ ルヒもバカとは言わないものの変人ではあるから高いところが好きなのだろう、などと思 いながら 「あぁ、いいぜ。」 とハルヒの申し出を快諾した。ここで断って不機嫌モードに入ろうものなら台北の街が 閉鎖空間に包まれてしまうかも知れぬ。海外にまで来て古泉に神人退治をさせるのもどう かと思うからな。さすがの俺もそこまで腐っちゃいないつもりだぜ。一応な。 八十九階の展望台へはエレベーターであっという間に着いた。さすが東芝エレベータ。 日本の技術は世界いt(ry 展望台から眺める台北の街は壮大そのもので俺とハルヒは口を開くことも無く眺めてい た。ふとハルヒに目をやるとハルヒは腕を組み、その目は感動しているというよりはなに かに期待しているような目であった。しばらくハルヒを眺めていると、ふとハルヒと目が 合った。ハルヒはニヤッと笑うと、 「何見てんのよ。このエロキョン。」 と言い放った。別に変わった目で見ていたつもりも無いんだが。ただ見とれてただけだ、 とでも言おうと思ったがやめておいた。 ハルヒは黙っていれば美少女である。それは一年半の間そばにいる俺が一番知っている。 これまで怒った顔、困った顔、泣き顔といろいろなハルヒの顔を見てきたがやっぱり笑顔 が一番似合うな。ハルヒには。こんな美少女と一緒に修学旅行を楽しめる俺は意外と幸せ 者なのかも知れない。 「キョン。夕食を食べたらもう一回ここに来ない?それまで下に戻って買い物でもしまし ょう。」 このビルの地上五階から地下一階まではショッピングモール、レストラン街となってい る。早くも俺の財布から諭吉さんやら一葉さんが逃げ出してしまうかと思ったが、さすが のハルヒもそこまで鬼ではないらしくウインドウショッピングを楽しむことができた。 夕食時間になり、四階のレストラン前に集合する。 「食べ終わったら私のところに来なさい!来ないと死刑よ!」 わざわざ台湾で殺されたくは無いんだがな、などと思いながら 「あぁ、わかったよ。」 と答え夕食にかぶりつく。台湾料理というのもなかなかいいものではないか。うん。中 華とは一味違った辛さ、うまみ。うん気に入った。 夕食を食べおわり谷口、国木田と談笑していると 「キョン!アンタ約束忘れたの?展望台に行くわよ!」 と見事に拉致されてしまった。谷口、国木田の両名は 「本ッ当に仲がいいね。」 「キョン。台湾に来てまでいちゃいちゃするのはどうかと思うぜ?」 と、気の抜けたことを言っているが俺は身の危険を感じたね。不機嫌なハルヒなら地上 五百メートルであろうと俺を突き落としかねないぜ? 危険を感じながらもハルヒに引っ張られ昼と同じようにエレベータに乗り込み展望台へ 向かう。ハルヒは俺を引っ張っているときになんかブツブツ言っていたな。八十九階の展 望台に到着し俺とハルヒは窓際に近づき外を見る。 展望台からの眺めは昼とはガラッと変わり百万ドルの夜景となっていた。ハルヒの態度も 昼とはガラッと変わり”女の子”の目になっていた。こんなハルヒをみたら俺でなくても 抱きしめたいと思うだろう。俺のそんな目に気づいたのかハルヒは、 「もう。スケベ。」 とつぶやいた。なんなんだろうね。コイツは。それ以外に言うことは無いのだろうか。 あっという間に集合時間となりホテルへとバスで向かった。ホテルは男子は一クラス当 たり二部屋の大部屋、女子には二人につき一部屋の個室が与えられた。何だこの待遇の違 いは。立ち上がれ、男子。今こそ女子の部屋に突撃するのだ。とは谷口の言葉。ちなみに その谷口は夜中に部屋を抜け出したのが岡部に見つかって職員部屋送りになった。バカめ。 ところで俺たちの部屋で”マッガーレ!”だの”ふんもっふ”だの変な声が聞こえると国木 田が言っているんだが・・・。気のせいだよな。 ――――一日目終わり 二日目1
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先ほど言ったと思う。 これからは何との交流が待っているのか。 それが楽しみだ、と。 こうしてとりあえずのハッピーエンドを迎えたからにはもうそれほど無茶なことはないだろうと思ったからだ。 ここで言う無茶なことってのは誰かに危険が訪れたり、世界におかしな現象が起きたりってことだ。 きっとハルヒはもうそんなことは望まないはずだ。 だってそうだろ?こうしてSOS団がいる。ハルヒがいる。少なくとも俺は幸せだったからだ。 悪夢はもう終わった。いや、あれは悪夢ではなくいい経験ですらあった。そう考えて俺は安心しきっていた。 だからその前触れに全く気付かなかった。 ハルヒのあの言葉を完全に失念していた。俺はあのとき微かに聞こえた言葉の意味を理解していなかった。 ひょっとすると、この悪夢はまだ始まってさえいなかったなのかもしれない。 ◇◇◇◇◇ 少年は空を見上げていた。 おそらくはもう会うこともないであろう少年の姿を思いながら、少しずつ赤く染まる空を見上げていた。 そのとき彼の携帯電話が着信を告げ、彼はそれに答える。 その電話は彼の良く知る少女から呼び出しだった。 その少女の楽しそうな声を聞きながら彼は思った。おかしい、と。 なぜなら、彼が想うその少女は、今は別の少年と共にいるはずだから。 そう、彼が先ほどから思い浮かべていたその少年と。 不安を胸にしまいながらも、少女の言葉に従い、彼は自分の過ごし慣れた場所へ足を向ける。 文芸部、もといSOS団の部室へと。 『涼宮ハルヒの交流』 ―最終章 後編― とりあえず俺の元気そうな様子にみな安心したのか、病室であるにもかかわらず、5人での会話は盛り上がる。 これからのSOS団について、これからの俺の仕事について、先ほどの三人の盗み聞きについて。 とは言っても長門はいつものようにあまり喋ることはなく、時々相づちを打つ程度だったが。 それでも今の俺からはそんな長門もなんとなく楽しそうに見えた。 話が一段落した後にハルヒが提案する。 「キョンも病み上がりだし、あんまり無理させてもあれだし、ちょっと休憩しましょ」 ……休憩?病み上がりだからゆっくり寝させてあげましょうって発想はこいつにはないのか? いや、ないんだろうな。 「そうですね。では何か飲み物でも買ってきますよ」 古泉が椅子から立ち上がる。 「今度はちゃんと買ってくるんだろうな?」 「もちろんですよ。信用がないようですね」 当たり前だ。こいつは信じられん。 「そうね。一人でみんなの分は持てないだろうから有希も古泉くんと一緒に行ってきて。 あたしはこいつの家族にキョンが目を覚ましたってことを連絡してくるわ。 みくるちゃんはこいつが変なことしないように見張ってて。あ、変なことされないようにね」 しねぇよ。何だよ。変なことって。 そういえばこんなことになって親は心配してるだろうな。……申し訳ない。 「じゃあ連絡は頼むな。元気だと伝えてくれ」 「ま、心配しなくていいわ。変なことは言わないから」 そう言ってニヤリと不気味に笑う。 こいつは言う。間違いなく変なことを言う。まじでやめてくれ。 「それでは行きましょうか。長門さん」 「行く」 長門は古泉の後ろについて部屋を出る。 「じゃあ、また後でね」 ハルヒも二人に続いて部屋を飛び出し、二人とは反対の方向に走り出す。 ……何だ?この感じは? 何かが変?いや、違う。少し前にも同じことがあった気がする。 同じこと?何か忘れているのか? 何だ?思い出せ。この感じは重要なことのはず。とんでもないことになるんじゃないか?あれは確か―― 「どうかしましたか?具合良くないんですかぁ?」 朝比奈さんの言葉で思考が中断される。 「いえ、問題ありませんよ。少し考えごとをしてただけですから」 「それなら安心です。良かったですぅ……」 呟くように言葉を発して、朝比奈さんはそのまま思いつめた顔でうつむく。 「……?朝比奈さん?」 少し間があり、小さく頷くと、朝比奈さんは真剣な表情でバッと顔を上げた。 「キョンくんは異世界に行ってたんですよね?」 「ええ、そうですけど。……ひょっとして嘘だと思ってます?」 「いえっ、そんな。……キョンくんが異世界に本当に行ってたことは知ってるの。……知ってたの」 「知ってた?どういうことです」 「詳しいことはわからないんだけど……、キョンくんが異世界に行くということは既定事項だったの」 なんだって?既定事項? 「てことは元々俺は異世界に行くことになってたってことですか?」 「そうなんです。そしてそのことを私は前から知っていました」 「なら、先に教えてくれるってのはできなかったんですか?結構大変だったんですよ。……って、すいません。」 つい声が大きくなってしまった。 朝比奈さんはまたうつむいてしまう。 「……ごめんなさい。詳しくはわかりませんがそれをあなたに先に教えることは禁則事項だったんです。 おそらくは……キョンくんが何も知らないまま行くということが大事だったんだと思うの」 そう言われてみればそうかもしれない。もしそのことを知っていたなら俺の行動は全く違っていたはずだ。 そうだとしたら、俺が異世界に行ったことが無意味だということにもなりかねないということか? 「なるほど、それは朝比奈さんの言うとおりかもしれません」 「でも、それを伝えられなかったことをキョンくんにちゃんと謝っておきたかったんです。ごめんなさい」 まったく、正直な人だな。言わなかったらわからないってのに。 そういえば、と、今の話を聞いてみて思い出した。 これだけ大量のお見舞いの品を持ってきたってことは、今日俺が目を覚ますって知ってたってことだよな。 この量は朝比奈さんからの謝罪の気持ちなのかもしれないな。 「それと、もう一つ謝らないといけないことがあるんです」 まさか、これからまた何かあるのか? 「キョンくんが異世界でどんな風に何をしてきたのかについて私は何もしりません。 でも、キョンくんがこっちに帰ってから何かがあるということはわかっていました」 つまり、その何かってのはさっきのあれ、告白のことですか? 「実は上からの指令で、キョンくんに問題が起こりそうになったらそれに対処するように言われていたんです。 それについても詳しくは聞かされていないのでよくわかりませんけど……。 それでさっき部屋の外で古泉くんと会って、キョンくんから目を離さないように話したんです」 ってことは、その指令のせいでさっきの告白が筒抜けだったってことですか!? くそっ、許せん。未来人め。なんという羞恥プレイだ。 「本当にごめんなさい。まさかいきなり告白するなんて思ってなかったの」 まぁそりゃしょうがないか……。 「ってことは、とりあえず何も問題は起こらなかったってことですよね?」 「……今のところは、そうみたいです」 未来人は何を考えてんだ?何が見たかったんだ?俺が一体何をするってんだ。 ……いや、そんなことしないっつーの!って、どんなことだよ。 「あのぉ、どうかしましたかぁ?」 いえいえ、なんでもないです。なんでも。 どうやら不審な様子が思いっきり出てしまっていたようだ。気をつけないと。 「正直言うと何が起こるのか少し怖かったんですけど、何もなさそうで安心しましたぁ」 そうですね。そんなこと言われると俺も怖くなってきます。 「まぁきっとなんとかなりますよ。特にどうしろって言われてないってことはそんな無茶なことはないでしょう」 「そうですね」 朝比奈さんも俺の言葉に頷き、ニコッと笑う。 「あまり心配し過ぎも良くないですよ。気楽に行きま――」 ガチャ、ドンッ!! 突然轟音を上げてドアが開かれた。 俺の知り合いでこんな荒い開け方をするやつは一人しかいない。しかもノックなしで。 「あら、みくるちゃん。キョンの調子はどう?」 「別にどうということはないぞ。健康だ」 びっくりして固まっている朝比奈さんに変わって答える。 「あらそう。ま、とりあえずは元気そうね」 ん?なんかおかしなこと言ってないか?さっきから元気だったろ? なんだろう、この違和感は。 「まぁいい。うちの家族はなんて言ってた?」 「家族?なんのこと?」 「は?何言ってんだ?俺の家に連絡してくれてたんじゃないのか?」 「連絡?……ああ、連絡ね。したした。ちゃんとしといたわよ」 いや、してないな。こいつはしてない。今まで何やってたんだ? なんか変だぞ。この感じは少し前にも……。あれは―― 「そんなことはどうでもいいのよ。それより……」 そこで最悪に不気味な笑みを浮かべ、 「あんたにおもしろい客を連れてきたのよ」 と言った。 嫌な予感がする。 たぶんこの嫌な予感は当たっている。 さっきの言葉、『じゃあ、また後でね』という言葉が頭に浮かぶ。 そう、さっきの言葉だ。 しかし、もう少し前にも聞いたような気がする。 あれはいつだったか。思い出せ。思い出すんだ。あれは……。 ……って、あのときか! しまった。なんでこんな大事なこと忘れてたんだ。ぐあっ、最悪だ。 あの時ハルヒは、『後でね』と確かに言ったんだ。 そう、このハルヒが。 「じゃ、呼んでくるわね」 「おい、ハルヒちょっと待っ――」 遅かった。 ハルヒはドアを勢いよく開け、 「いいわ。入りなさい」 と声をかけた。 満面の笑みを浮かべたハルヒの後ろから入ってきたのは、ほんの数時間前に別れたはずの『俺』だった。 見つめ合う二人。 止まる時間。 「ほら、挨拶しなさいよ」 『俺』がハルヒに引っ張られて前に出る。 「あ、キョンくんもお見舞いに来てくれたんですかぁ?」 って、朝比奈さん知ってるんですか?まさか、これも既定事項? 「……どうも朝比奈さん」 『俺』は朝比奈さんの方に軽く挨拶した後、俺の方に向き直る。 「……よぉ」 「あ、ああ」 はい、挨拶終わり。 戸惑う二人を楽しそうにニヤニヤ眺めるハルヒ。 しばらくの沈黙の後、『俺』が話しかけて来る。 「とりあえず元気そうで安心したぜ」 「ああ、おかげさまでな。心配かけてすまなかったな」 『俺』が首を振って答える。 「俺はいい。けど長門は心配してたぜ」 「そうだな。長門には本当に世話になった。こっちでちゃんと元気でやっていると伝えてほしい。 あと、弁当うまかった、ありがとう。って言っといてくれないか」 「ああ、長門に言っとくよ」 「へえー、有希に弁当とか作ってもらってたんだぁ」 こっちのハルヒと全く同じこと言いやがる。しかも同じ表情で。 話を変えるためにとりあえず状況を『俺』に聞いてみる。 「で、どうしてお前がここにいるんだ?」 「よくわからん。とりあえずハルヒに無理矢理連れて来られた」 「どうやってこっちに来たんだ?」 ハルヒは得意気にふふっ、と笑う。 「あんたが出入りしたおかげで異世界への行き方がわかったのよ」 ぐあっ、俺のせいかよ。いや、実際はこっちの世界のハルヒのせいだが。 「とりあえず、今はちょっとまずいん――」 「ひええぇぇぇええぇ!!」 突然朝比奈さんが絶叫する。 「キョキョキョ、キョンくんが、キョ、キョンくんが二人いるぅぅうぅ!!」 って今まで気づいてなかったんですか? 「あ、朝比奈さん、とりあえず落ち着いて下さ――」 コンコン。 「入りますよ」 挨拶と同時に入って来る古泉と長門。 「ああ、涼宮さんももう戻って来て……なっ!?」 ガッシャーン!! 古泉の手の中にあったジュースの缶が激しい音をたてて床を転がる。 ああ、なんという混沌とした状態だ。とりあえずみんな落ち着くんだ。 「こ、これは一体どういうことですか?何があったんですか!?」 二人の俺を見比べ、尋ねる古泉。 さすがの古泉も取り乱しているようだ。長門ですら少し目に動揺の色が見える。 とりあえず落ち着け、クールになれ古泉。今説明してやる。 「簡単に言うと、ここのハルヒとそっちの『俺』は異世界からきたハルヒと『俺』だ。で、合ってるよな?」 『俺』の方に目を向けると頷いて肯定する。 「どうやらそのようだ。俺はハルヒに無理矢理ここに連れて来られた」 「無理矢理って何よ。人を誘拐犯みたいに言わないでよ」 「いや、大差ないだろ。いきなりこんなところに」 「いきなりとかどうでもいいのよ。ついてきなさいって言ったらわかったって言ったじゃない」 「まぁ、それは言ったが……」 とりあえず二人で遊ぶのはやめてくれ。 「古泉、この状況はどうだ」 「おおよそしか把握できていませんが、正直あまりよろしくないですね。僕らの方の涼宮さんは?」 「まだだ。たぶん俺の家に電話中だろう。帰って来る前になんとかしないと」 「長門さん何か手はありませんか?」 「ないことはない」 「ではそれをすぐにお願いします」 「あまり推奨できない」 「とにかく時間がないかもしれません!お願いします」 必死だな、古泉。 「……わかった。情報連結解除開――」 「って、ちょっ、待て待て長門。それはダメだ」 長門、まさかお前までパニクってんのか。落ち着け、長門。お前もクールになれ。 それはさすがにまずいだろ。別の方法を考えよう。 「………」 「長門?」 「……今のはジョーク」 前言撤回。余裕ですね、長門さん。 さすがの古泉も口を開けて完全に固まっている。ちなみに朝比奈さんはとっくに固まっている。 「そうだ、あの見えなくなるフィールドみたいなやつは、どうだ?」 「私の権限では涼宮ハルヒという個体に対して力を行使することは許可されない。つまり……」 つまりなんだ? 「私には打つ手がない」 でもこれは違うハルヒだぞ。ならいいんじゃないのか? 「それでも無理」 なんてこった。こっちからは何もできないってわけか。 「とりあえずお前ら一旦帰ってくれないか?」 いちおう二人に言ってみる。 「嫌よ。せっかく遊びに来たのに」 「んなこと言うなって。また来ればいいじゃねえか」 「そんな簡単に言うけど結構疲れるのよ」 知らねえよ。俺の方が疲れるぜ。 「あのなハルヒ。こっちのハルヒに知られるのはまじでやばいんだ。頼む」 「そんな心配することないわ。あたしの方だってなんともないんだし」 「とりあえず迷惑っぽいし帰ろうぜ。何か起こってからじゃ大変なんだし」 さすが『俺』。話がわかるぜ。 「何かって何よ。そんなにたいしたことないかもしれないわよ」 「あのなぁ……たいしたことないって、あの古泉の様子を見てみろ」 そう言って『俺』は古泉の方を指差す。 古泉は完全に機能が停止している。目が虚ろだ。 「な、あのくらい大変な事態なんだよ。わかるか?」 「……わかったわよ。しょうがないわね。帰るわ!じゃあまた――」 ガチャ! ……例えて言うなら地獄の扉が開いたような気がした。悪夢はまだ終わらないのか? ひょっとしたら俺たちの交流はここからが始まりなのかもしれない。 ◇◇◇◇◇ エピローグへ
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第五章 ハルヒは放心状態、長門は朝倉と交戦中、朝比奈さんはハルヒの横で気絶している、古泉は神人と交戦中、俺にいたってはハルヒのいる病院の中で立ち尽くしてい。 不運と言うものは続くもので、ボロボロに破壊されたドアから人影が見えた。 見覚えのあるおとなしそうな生徒会書記担当、黄緑江美里だ。しかもその手には血のついた日本刀…え?日本刀? 今度は黄緑さんがエラーか?しかも血がついてるってことは誰かを殺したてきたと言うことなのだろうか。 長門は朝倉と交戦中である、よって黄緑さんに抵抗できる人間はいない、ここにいるのは俺とハルヒと朝比奈さんだけなのだ。 ここまでかと思ったそのとき、またドアの奥から人影が見えたと思った瞬間である、人影がすごいスピードで黄緑さんに近づき持っていた薙刀で黄緑さんの体を真っ二つにした、そしてポケットからビンを取り出し中に入っていた液体を真っ二つになった黄緑さんにかけた、すると黄緑さんは塩をかけられたナメクジの様に縮み消滅した。 そして黄緑さんを切り殺した人物に俺はとてもびっくりした。 なんと久々の朝比奈さん(大)である。俺はハルヒや朝比奈さん(小)の前に現れていいのかという疑問の前に朝比奈さんの身体能力に驚いていた。 アホみたいに口をあけている俺に朝比奈さんは「久しぶり。」と、そしてハルヒに向かって「久しぶりです、でもこの姿では始めましてですね。」 そして朝比奈さんは説明してくれた。「黄緑さんは情報統制念体によってコピーされました、そしてそのコピーはオリジナルを抹殺しあなた達を抹殺しに来ました、それを止めるために来たんです、他にも目的はあったのですが。本当はこういうことをしてはいけないんですが私にとっても規定事項なので大丈夫です。」 朝比奈さん(大)が説明を終えた後、ハルヒが突っ込んだ「あんた、誰なの?みくるちゃんのお姉ちゃんか何か?この姿って…」 その質問には俺が答えた「この人はここにいる朝比奈さんの未来の姿だ、何度か会った事がある。」 そして朝比奈さん。「そうです、なんなら今までにしたコスプレ全部言いましょうか?」と笑顔で言った。 そして真剣な顔をして続けた。「私がここに来たのは黄緑さんからあなた達を守るためだけではありません、もう一つ重要な仕事があるんです、でもその前にキョン君、涼宮さんにあなたの正体を教えてあげて下さい。」 「キョンの正体?」とハルヒがいいこちらを見る。 俺は言った。「そういえば言おうとして朝倉が来たんだったな。いいかハルヒ、よく聞け?俺の正体はな…」ジョンスミスなんだ、と言うつもりだった。 「そいつの正体はジョンスミスさ。」とまたドアの奥から人影が現れる。またも見覚えがあるやつだった、しかもいけ好かない未来人、花壇で会った奴だ。 なんでこの事を知っている?そんなことを考えているとハルヒが「キョンがジョンスミス…?本当なの?キョン」 「そうだ、俺は確かに4年前の七夕の日にハルヒに会って落書きの手伝いをしたジョンスミスだ。だが何でお前が知っている。」恐らくこのときの俺はきっとものすごい顔で睨んでいたのだろう。 しかし煽るようにそのいけ好かない未来人は言った。 「何故知っているかって?それは俺がジョンスミスだからさ。」 朝比奈さん(大)以外の顔が凍りついた。 こいつがジョンスミス?そりゃ俺だろう、こいつがジョンスミスなわけがない。それともジョンスミスって結構多い名前なのか? 昔の船長にそんな名前の奴がいたっけ? などと脳内で思考を巡らせていると、 朝比奈さんがまじめな顔でこう言った。 「キョン君、この人は未来のあなたなんです。それは間違いありません。そしてこの人の目的は…」 いけ好かない未来人が割って入った、しかもまたとんでもないことを言い出した、俺はその言葉にこいつがジョンスミス…つまり俺なのだということ以上にショックを受けた。 「涼宮ハルヒと朝比奈みくるの暗殺だ。もちろん過去の自分であるお前は殺さない、俺が存在できなくなるからな。」 なんだって?未来の俺が朝比奈さんやハルヒを殺す?一体全体何があったら俺はそんなことをするような人間になるんだ? 大体、朝比奈さんやハルヒを狙っていることを知っているはずの朝比奈さん(大)は何故何もしないんだろうかという疑問を朝比奈さん(大)に向かって視線に込めて送ってみた。 すると朝比奈さんは「まだ大丈夫です。」とだけ言った、まだ? そしてその未来人は続けた。 「俺の来た未来では朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹、涼宮ハルヒはとっくに死んだ人間になっている。 涼宮ハルヒ、朝比奈みくるは俺に殺され、古泉は神人に敗れ、長門有希は朝倉に殺された。 そういうことになっている。しかしこいつらを殺すのは長門有希、古泉一樹が敗れた後、俺も難しいことはわからないがその両名が敗れたショックでハルヒが完全に能力を失うらしい、恐らく自分の能力で友達が傷ついたことで自ら能力を消したんだろう。 そしてそんな能力を持った涼宮ハルヒを殺し、まあ口封じっって奴だ、そして朝比奈みくるからTPDDを奪い殺し、ほんのちょっと未来のお前に渡してやるんだ。それで万事解決だ。」 いやいやいやこれはないって、絶対ないよ。何で朝比奈さんまじめな顔してんの?こいつおもしろいこといってんだから笑ってあげなよ。 などと考えていたらやっぱり朝比奈さんが「全部本当です。」 …やれやれ。 そしてその未来人は喜んでいいのか泣いたらいいのかわからんことを言った。 「そこでだ。当然朝比奈みくるのふけたほうがここにいるってことは当然勝ち目もあるってことだ。なぜか2つの異なった未来が繋がってしまったらしいからな、それも涼宮ハルヒの影響か?それに全部規定事項って奴ですか?朝比奈みくる。まあどうなるかはお前しだいって奴だな。まあがんばれよ」 朝比奈さんによると全部事実で間違いなさそうだ。 奴の言うと通り、俺達が勝つ道もあるみたいだしな。 って言うことはやっぱり長門、古泉を何とかしないとだめみたいだ。 長門、古泉両名が死ぬまでこいつはハルヒや朝比奈さんみたいに手をだぜないみたいだし。 長門は何とかなるとして、まず古泉を何とかしてやろう。 第六章
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ハルヒ「キョン! あれ見て!!」 キョン「おい、こんなところで走るな!」 ズザザザザザザーーーーー! 古泉「派手にやりましたね」 みくる「あわわわ、顔からですぅ~」 長門「ユニーク」 ハルヒ「いったぁい……」 キョン「こんな砂地で走ったらそりゃ滑って転ぶだろ……って、お前、その顔!!!!」 ハルヒ「顔痛い……って、え?あ、あたしの顔から血が……きゃあああああああ!!!」 キョン「落ち着け、単なる擦り傷だ!!!!」 長門「ユニークww」 古泉・みくる「「長門さん……?」」 ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 ハルヒ「ううぅっ、あたしの顔が……あたしの美貌が……(涙目)」 キョン「まったく、ほらハンカチ。歩けるか? 保健室行くぞ」 ハルヒ「何よバカキョン……あたしが転ぶ前に支えなさいよ」 キョン「無茶言うなよ(やれやれ、さすがにショックか? いつもの勢いがないな)」 古泉「ここは彼に任せましょう」 みくる「はわわ、涼宮さん大丈夫でしょうか~」 長門「涼宮ハルヒの転倒……w」 古・み「「長門さん……?」」 保健室に移動したキョンとハルヒ キョン「すみませ~ん……あれ、誰もいないな」 ハルヒ「先生留守なの? しょうがないわね、キョン、あんたが手当しなさい!」 キョン「やれやれ、言われなくてもやってやるよ。自分の顔じゃやりにくいだろうが。 ほら、もっと顔を上げて傷を良く見せてみろよ」 ハルヒ「ちょ、ちょっと!!何顔に触ってんのよエロキョン!!(顎に手を添えるなんて反則よ!///)」 キョン「何言ってんだ、ちゃんと支えないと消毒しにくいだろうが」 ハルヒ「///(顔が近い!!!)」 そのころまだ外にいる3人 長門「涼宮ハルヒの顔面に損傷。そして次は……」 みくる「ひぃい!!?? な、長門さん!?」 古泉「(逃げた方が良さそうですね)」 ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 ハルヒ「(ダメ、耐えられないわよ!!!)」 キョン「おい、ハルヒふざけんな! 何で顔背けるんだ!」 ハルヒ「だ、だって……///(恥ずかしいじゃないの……)」 キョン「ほら、ちゃんと消毒しないと痕が残ったら可愛い顔がもったいないだろ」 ハルヒ「え……? キョン、ちょっと何言ってんのよ!!///」 キョン「え? ……あ。(しまった、つい本音が!)」 ハルヒ「……」 キョン「……」 ハルヒ「サッサとしなさいよ……///」 キョン「分かったから動くなよ///」 ハルヒ「///(だから顔が近いってば!!!!)」 そして1行目に戻る 窓から覗いている3人 古泉「何をやっているんでしょうね」←逃げてなかったのかお前は みくる「何かいい雰囲気ですね~」 長門「……バカップルウゼェ」 古・み「……」 ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 ハルヒ「痛い! もっと優しくやりなさいよ!」 キョン「しょうがねぇだろ。俺だって一生懸命やってるんだ」 ハルヒ「痛い痛い痛い~~~!!!」 キョン「おい、暴れるな!!!!」 ハルヒ「まだ終わらないの!?」 キョン「もうすぐ終わる。どうでもいいが何でずっと目を瞑っているんだ?」 ハルヒ「う、うるさい!///(だってこんな近くに顔が……)」 キョン「(うっ 赤面して目を瞑って見上げるのは反則だ!!!)///」 キョン「ほ、ほら終わりだ///」 ハルヒ「……あ、ありがと///」 ガチャ 古泉「おや、治療も終わったようですね」 みくる「涼宮さん、大丈夫ですか~」 長門「……会話がエロい」 古泉「いえ、それにしては彼が冷静過ぎます」 キョン「真面目に突っ込むな!!! てか長門????」 ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 古泉「困ったことが起きました」 キョン「何だ?」 古泉「この保守の作者が、何も考えずに僕たちを絡めたおかげで先が続かなくなりました」 みくる「私たち、話の流れに関係ないですもんね……」 長門「無理があると判断できる」 ハルヒ「じゃあどうなるのよ! こんな中途半端で終わらせるなんて許されないわよ!!」 キョン「中途半端って何だ? ただお前が顔面怪我して俺が消毒しただけだろうが。落ちも何もねぇ」 ハルヒ「な、何よ! キョンのバカ!!!」 キョン「何を怒ってるんだ?」 古泉「あなたって人は……」 みくる「キョンくん……」 長門「……鈍感ワロス」 古泉「ところで、続かなくなった要因の1つに、おもしろ半分に長門さんを黒っぽくしたからというのがあるようです」 長門「……この保守作者の情報連結解除開始」 全員「ええええええ!!??」 (情報連結が解除されました。続きを読むには長門に再構成を依頼してください) 古泉「(き、気を取り直して)もう時間ですし、今日の所は帰りましょう」 ハルヒ「そうね。何か気分壊れちゃったし」 キョン「おい、俺が言ったら『あんたが仕切るな!』って怒るくせに……」 ハルヒ「あんたは雑用! 古泉くんは副団長なんだから当たり前でしょ!」 キョン「やれやれ……」 ハルヒ「キョン! あたしを家まで送りなさい!」 キョン「は? 何で俺が?」 ハルヒ「あたしは怪我人なんだからそれくらいの気遣い当たり前でしょ!」 キョン「別にたいした怪我じゃないだろ!」 ハルヒ「うっさい! 団長命令!!」 キョン「やれやれ、わかったよ」 古泉「じゃ、お願いしますね」 みくる「また明日~」 長門「……上手く私たちを追っ払おうという意図が見え見え」 古・み「「え??」」 長門「この保守作者の情報連 「もうその手は使えないんじゃないですか?」 長門「……」 キョン「ほら、帰るぞ。早くしろ」 ハルヒ「あんたが仕切るな!」 キョン「……やっぱりな」 ハルヒ「何よそれ?」 キョン「3行目」 ハルヒ「う」 落ちなしスマン 養護教諭は薬品棚に隠れていた保守 帰り道 キョン「何で俺が送ってるんだ?」 ハルヒ「今更何言ってんのよ! 第一あんたのせいでしょうが!」 キョン「は? お前が勝手に転んだんだろ。何で俺のせいなんだよ」 ハルヒ「あんたは雑用なんだから団長が危ないと思ったら身を挺してかばわなきゃダメなの!」 キョン「おいおい、俺は超能力者でも何でもないぜ。無理に決まってるだろ」 ハルヒ「何よ! 最初から諦める気? それでもSOS団の団員その1なの!?」 キョン「無理な物は無理だ。俺は俺にできる範囲でしか……(ハルヒを守ってやれない)」 ハルヒ「範囲でしか、何よ」 キョン「いや、まあできることしかできないってことだ(やばい、また訳のわからんことを言いそうになった)」 ハルヒ「情けない」 キョン「俺のせいってのは納得行かないが、送る位はやってやるよ。その顔で1人で帰るのが嫌なんだろ? ま、俺にできる範囲ってのはその程度だろ」 ハルヒ「う……(何で分かったのよ!)。そんなんだからいつまで経っても雑用から抜け出せないのよ」 キョン「はいはい、悪うございました(何でそんな嬉しそうに言うのかね)」 古泉「乙女心に疎い彼が、送って欲しい理由に良く思い当たりましたね。」 みくる「妹さんがいるからじゃないですか~? うふ、でも送って欲しい理由は他にもありますよね」 古泉「なるほど、恋愛以外ならある程度分かる、と。肝心な所は鈍いままですが……」 長門「……無理矢理出さなくてもいい」 古泉「まあまあ長門さん、出番があるのはいいことです」 みくる「あ、自転車乗って行っちゃいました」 キョンとハルヒの帰宅を尾行中保守 キョン「ほら、着いたぞ。また明日な」 ハルヒ「う、うん……」 キョン「何だよ? 何か言いたいことあるのか?」 ハルヒ「あ、明日も迎えに来なさい!!」 キョン「おい、俺を何時に起こす気だ。朝弱いんだぞ」 ハルヒ「う、うるさいわね! 十分あんたにできる範囲でしょ!! ……こんな顔で1人で歩きたくないんだから……」 キョン「……(しまった)。やれやれ、わかった。起きれたら来てやるよ」 ハルヒ「ダメ。遅刻したら罰金、来なかったら死刑!!!」 キョン「死刑は嫌だが、正直、起きる自信がない」 ハルヒ「そんなんだからいつも罰金から逃れられないのよ。仕方ないわね、朝起こしてあげるわよ!」 キョン「へ?」 ハルヒ「モーニングコールかけてやるって言ってんのよ! 団長自らよ? 感謝しなさい!!」 キョン「やれやれ……(そんな笑顔で言われたら断れないよな)」 ハルヒ「じゃ、また明日!!」 キョン「あんな怪我があってもなくても、ハルヒの笑顔は変わらないんだよな……」 キョン「て、俺何言ってんだ」 キョン「(そういや消毒してるときのハルヒ、何か雰囲気違って可愛……いや、何だ?)」 キョン「……はぁ(考えるのはやめた方がいいな)」 古泉「ハァハァ……おやおや、1人だと案外素直なんですね」 みくる「ぜぇぜぇはぁはぁ……く、苦しい……。長門さんは平気そうですね」 長門「この程度の移動速度で息が乱れる方が問題」 古泉「ここまで走るのはちょっと骨でしたね。……帰りますか」 長門「私たちは何しに来たのコラw」 自転車を走って追っかけた3人保守 翌朝 携帯が鳴っている キョン『……もしもし?』 ハルヒ『おっきろ~~~!!!!!!!』 キョン『起きてるから電話に出ている』 ハルヒ『何よ、つまんない。1回じゃ起きないと思ったのに』 キョン『何回電話するつもりだったんだよ』 ハルヒ『どうでもいいわ、そんなこと。それより7時半にうちの前! 遅刻は罰金だからね!!』 キョン『わかってるよ』 キョン「6時か。支度は終わってるんだよな。出るか。……眠い……」 ハルヒ「もう支度は終わってるけど、さすがに来ないわよね……」 30分後 ハルヒ宅玄関前 ハルヒ「何でもう来てるのよ!?」 キョン「罰金は嫌だからな」 ハルヒ「今からじゃ早すぎるわよね……」 キョン「部室で時間潰せばいいだろ」 2人とも実は楽しみで眠れなかったらしい保守 早朝の文芸部室にて ハルヒ「う~~~~~~~~~ん」 キョン「何鏡見てうなってるんだ。何か呼び出す儀式か?」 ハルヒ「バカ! んな訳ないでしょ! ……やっぱりひどい顔だな、と思ってるだけよ」 キョン「そんなことないと思うが」 ハルヒ「だってこの傷目立つわよ。バカキョンには女心が分からないのよね」 キョン「(そんな落ち込んだ顔するなよ) ……悪かったな」 ハルヒ「分かればいいのよ。……はぁ」 キョン「大げさに溜息をつくなよ」 ハルヒ「だって痕が残ったらどうしよう」 キョン「擦り傷だし、残りはしないだろ」 ハルヒ「……残ったら怪我とその発言の責任取ってもらうわよ」 キョン「やれやれ、どんな罰ゲームをさせる気だ?」 ハルヒ「……鈍感」 キョン「何だって? 聞こえなかったんだが」 ハルヒ「いいわよ、もう」 キョン「何を怒ってるんだ(今日はまだあの笑顔を見てないぞ)」 やべぇ、突っ込み3人組がいないと糖度が上がるw 傷のあるなしより笑顔が重要だと思っているキョン保守 教室にて 阪中「す、涼宮さん、その顔どうしたのね~~~!!」 ハルヒ「あ、これはその、キョンが……」 キョン「俺は何もしてない!」 阪中「キョンくん!!?? キョンくん非道いのね、女の子の顔に傷を付けるなんて!!!!」 キョン「だから誤解だ! あれはハルヒが勝手に……いてっ!」 ハルヒ「余計なこと言ってんじゃないわよ! あんたが悪いんでしょ!」 キョン「殴るな! 俺は何もしとらん!」 ハルヒ「何もしてないから悪いんでしょうが! 団長を守るのも団員の役目だって言ったでしょ!」 キョン「だから俺のできる範囲でしかお前を守ってやれないって言ってるだろうが!!!」 ハルヒ「できなくてもやれ!!!」 阪中「それって『俺の守れる限り守ってやる』ってことなのね~。素敵なのね」 ハルヒ「えっ ちょっと、何言ってんのよ!!!///」 キョン「阪中、何を言っているんだ。こいつが無理難題を言うからできる範囲が限られているってだけだ」 阪中「照れなくてもいいのね。恋人を守ってやるなんて、憧れるのね~」 ハル・キョン「「恋人じゃないっ!!!!!!」」 谷口「お前ら、昨日一緒に帰ってたよな。しかも自転車2人乗りで」 ハルヒ「だからちが~~う!! あれは怪我の責任取らせただけで……」 谷口「はいはい、もういいよお前ら」 ハルヒ「谷口殺す!!!!!!!」 谷口「WAWAWA~~~ グホッ ゲホッ」 キョン「谷口……骨くらいは拾ってやるぞ。やれやれ」 クラスメイト「(あいつらまたやってるよ……)」 とっくの昔にクラス公認だったハルキョン+やられキャラ谷口保守 放課後 キョン「やれやれ、今日はひどい目にあったな……」←谷口よりマシw ハルヒ「あたしのせいって言いたいわけ?」 キョン「違うのか?」 ハルヒ「違うわよ! あんたが変なこと言うから悪いんでしょ!!」 キョン「何だよ、変なことって」 ハルヒ「だ、だからそれは……!そ、その『できる範囲でしか守ってやれない』とか……///」 キョン「う……(確かに余計なことを言ったな畜生)。お前が無理言うからだろ」 ハルヒ「もう! とにかくあんたが悪いの!! 全部責任取って貰うんだから!!」 キョン「罰ゲームも罰金ももう勘弁してくれよ……」 ハルヒ「そんなんじゃないわよバカ!!!!」 パタン。本の閉じる音。 古泉「僕らはお邪魔でしょうから帰りましょうか」 みくる「えっ? あっ そうですね~」 長門「……ヤッテラレルカ、ケッ」 キョン「え? 何だよお前ら(特に長門!!!)」 ハルヒ「まだ終わる時間じゃないわよ?」 みくる「着替えるから出てけ~~~~~!!!!!!」 ハルヒ「みくるちゃんご乱心!!??」 キョン「ああ、朝比奈さんまで!!!(ここは異世界か?世界改変か??)」 結局前日からあてられっぱなしの3人保守 部室に残された2人 キョン「結局何だったんだろうな……あの3人は(後で古泉にでも確認するか)」 ハルヒ「知らないわよっ。……あんなみくるちゃん初めてみたし……」 キョン「長門もおかしかったような……」 ハルヒ「有希は気のせいってことにしないと怖い気がする。何でかしらないけど」 キョン「そうだな、気のせいだよな」 ハルヒ「気のせい、気のせい」 ハルヒ「はぁ……早く治らないかな……」 キョン「ハルヒ」 ハルヒ「何よ、あらたまって」 キョン「いや、その今朝の話というか……顔の怪我の話だけどな」 ハルヒ「何よ。やっぱりひどい顔とか言いたいの?」 キョン「アホ。んなわけないだろ。……だから、その、あんまり気にすんな」 ハルヒ「バカキョン! 今朝の話聞いてないわけ!!??」 キョン「ぐっ ネクタイを締め上げるな苦しい!! そうじゃなくてだな、怪我をしていようとしていまいと、痕が残ろうと残るまいと、ハルヒはハルヒだろ」 ハルヒ「意味わかんないんだけど」 キョン「だから、その、傷よりもそんな顔……ていうか表情しているハルヒの方が……なんていうか……」 ハルヒ「はっきり言いなさいよ! イライラするわね」 キョン「だから! 怪我があってもなくても、笑ってるハルヒの方がいいんだよ!」 ハルヒ「えっ///」 キョン「怪我が気になるのは分かるが、それでハルヒの良さが変わる訳じゃない。だからあんまり気にするな。 (あー畜生。俺は何を言っているんだろうね)」 ハルヒ「う……うん///。あ、そうだ! 怪我が治るまでは毎日送り迎えだからね!!」 キョン「覚悟はしてましたよ、団長殿 (言ったそばから笑顔が見れたのはいいが、起きられるか……やれやれ)」 実は長門によって3人に覗かれているハルキョン保守 キョン自宅にて古泉と電話中 古泉『今日はお疲れ様でした』 キョン『何の話だ』 古泉『涼宮さんですよ。彼女は顔の傷でショックを受けていた。 貴方の言葉がなければ、いずれは閉鎖空間が発生していたでしょう』 キョン『ショックはわかるが、俺がハルヒに言った言葉を何故お前が知っている』 古泉『正直に言いましょう。見ていました』 キョン『どうやって』 古泉『長門さんですよ。彼女は部室を常に監視しています。異空間がせめぎ合っていますからね』 キョン『なるほど……。で、お前も覗いたわけか』 古泉『失礼ながら今回は。朝比奈さんも一緒でしたが』 キョン『悪趣味だぞ』 古泉『分かっております。いつもそんなことをやっている訳じゃありませんよ』 キョン『ところで、長門や朝比奈さんがおかしかった気がするんだが』 古泉『気のせい……と言いたいところですが、貴方のせいですよ。正確にはあなたたち、ですか』 キョン『どういう意味だ』 古泉『見ていてイライラする、と申しておきましょうか』 キョン『わけがわからん』 古泉『これで分からなければお手上げですね。僕が「やれやれ」と言いたいくらいです』 キョン『人のセリフを取るな』 古泉『まあ、いずれ分かるでしょう。今日のところはこの辺で』 キョン「……やれやれ。明日も早いな。寝よう」 後を付けたりするくせにホントにいつもやってないのか?保守 一週間と数日後 ハルヒの自室 ハルヒ「治っちゃったな……」 ハルヒ「思ったより早かったわね……」 ハルヒ「もう、送り迎えはなしね……」 ハルヒ「……キョン……」 ハルヒ自宅前 キョン「よう」 ハルヒ「キョン、もういいわ」 キョン「何が?」 ハルヒ「送迎。もう怪我も治ったし」 キョン「それは良かったな。痕も残りそうにないな」 ハルヒ「うん……」 キョン「ま、今日のところはせっかく来たんだ。ほら、後ろ乗れ」 ハルヒ「ありがと」 キョン「元気ないな」 ハルヒ「そ、そんなことないわよ」 キョン「怪我も治ったのにな。何かあったのか?」 ハルヒ「何もないわよ」 キョン「……そうか。じゃ、行くからつかまってろよ」 何となくダウナーな雰囲気保守 再び早朝の部室 キョン「ハルヒ、やっぱりお前おかしいぞ」 ハルヒ「うっさいわね。何でもないって言ってるでしょ!」 キョン「まあ、言いたくないこともあるだろうが、言えることなら吐き出した方が楽になるぞ」 ハルヒ「だから何でもないの! (もう送り迎えがなくなって寂しいなんて言える訳ないじゃない)」 キョン「……そうか。ところでハルヒ。送迎の話だがな」 ハルヒ「……何よ(人の痛いところついてくるんじゃないわよ!)」 キョン「お前はもういいと言ったけど、続けていいか?」 ハルヒ「え? どうして? 面倒じゃないの?」 キョン「お前は俺が面倒だと分かっててやらせたのかよ」 ハルヒ「せっ責任は責任でしょ!」 キョン「おい、だから怪我は俺のせいじゃ……まあいい。送迎も面倒ではないとは言い切れんがな」 ハルヒ「じゃあどうして……」 キョン「せっかく早起きの習慣がついたんだ。今更戻るのもなんかもったいない。帰りはついでだ」 ハルヒ「そ、そう。あんたがそう言うならしょうがないわね。いいわよ」 キョン「そうか、悪いな」 ハルヒ「別に謝ることじゃないでしょ! 仕方ないからあんたは一生あたしの送り迎えしてなさい!」 キョン「一生!!?? おいまて、俺は一生お前の雑用かよ!!!」 ハルヒ「あったりまえでしょ!!」 キョン「やれやれ、元気出たからいいとするか……」 キョン「(いつの間にか2人で過ごす時間が楽しいなんて思っちまってるんだからな。やれやれ)」 ハルヒ「(理由は気に入らないけど……でもどうしよう、嬉しいかも)」 長門@監視中「いい加減素直になりやがれこのヤロウ」 みくる@長門製監視モニタを借りている「ふわぁ~ 涼宮さん、プロポーズです~」 古泉@みくる同様「彼は本当に分かってないのか、ポーズなのか……悩むところですね」 実は最後のモノローグすら素直じゃないキョン保守 1ヶ月後くらいの早朝の部室 ハルヒ「ねえキョン」 キョン「何だ?」 ハルヒ「……その、いつも……あ、ありがと」 キョン「どうした!? 急に! 熱でもあるのか!?」 ハルヒ「バカ! 違うわよ! 何よ、せっかく人が素直に……」 キョン「いや、悪かった。ハルヒに礼を言われるとは思わなかったんでな」 ハルヒ「あたしだってお礼くらい言えるわよっ! バカにしてんの!?」 キョン「だから悪かったって。まあ、俺が好きでやってることだからな。礼には及ばん」 ハルヒ「それもそうね。ま、あたしを送迎できるんだから感謝して貰ってもいいくらいよね」 キョン「おいおい。ま、それくらいの方がお前らしいか」 ハルヒ「て、話をはぐらかすんじゃない!」 キョン「は!? お前訳分からんぞ」 ハルヒ「その、まあ、あたしも感謝はしてるんだから……お礼でも……」 キョン「礼ならさっき言って貰ったぞ」 ハルヒ「そうじゃなくて……目を閉じなさい」 キョン「へ?」 ハルヒ「いいから!」 キョン「わかったよ」 キョン「……っ///」 ハルヒ「……///」 キョン「……今何をした!///」 ハルヒ「うっさい! お礼よ、お礼!///」 さて、ハルヒはキョンに何をしたんでしょうね?保守 ちょっとの間があった キョン「団長様にここまでしていただけるほどのことをした覚えはないんだが」 ハルヒ「何よっ バカにしてんの!?」 キョン「いや、そうじゃないんだが……」 ハルヒ「朝弱いって言ってるあんたが早朝から来てくれるんだし、あたしも楽だし……」 キョン「いや、だからそうじゃなくてだな」 ハルヒ「何よっ」 キョン「あー……。その、何だな。……お礼じゃないほうが嬉しいんだが」 ハルヒ「え? どういう意味??」 キョン「……っ/// 妄言だ、忘れてくれ」 ハルヒ「は? あんた団長に『忘れてくれ』なんて通じると思ってんの!!??」 キョン「……はい、思ってません(長門には通じたんだがな)」 ハルヒ「じゃあ説明しなさい」 キョン「……俺、実はポニーテール萌えなんだ」 ハルヒ「えっ」 キョン「いつだったかのお前のポニーテールはそりゃもう反則的なまでに似合ってたぞ」 ハルヒ「えっ それって……んっ……」 ハルヒ「……んっ…はぁっ……ちょっとあんた……///」 キョン「……まあ、つまりそういうことだ///」 ハルヒ「わけわかんないわよ///」 セリフあってるか?保守 ハルヒ「……まあいいわ。あんたSOS団団長にここまでしたんだから覚悟は出来てるでしょうね」 キョン「(嫌な予感)何の覚悟だ!?」 ハルヒ「あんたは一生SOS団の団員その1にして雑用係にしてあたしの下僕よ!!!」 キョン「ちょっと待て! 団員と雑用はこの際甘んじるがお前の下僕ってのは認められん!」 ハルヒ「うっさい! このあたしに…あ、あんなことして、許されると思ってるの!」 キョン「先にしたのはお前だろうが!!!」 ハルヒ「うっさい! あたしはいいのよ、団長だから!」 キョン「断じて認めん! 断固抗議する!!!」 ハルヒ「却下!!!」 古泉@覗き「ここまで来て素直になれないとは……お二人とも重傷ですね」 みくる@覗き「はわわわ~ 何でそこで喧嘩しちゃうんですか~~」 長門@覗き「……ここまで来て『好き』も言えない。予測不能」 キョン「……ちょっと待て」 ハルヒ「何?」 キョン「何か見られてる気がしないか?」 ハルヒ「誰もいないわよ……でも変ね、そんな気が……」 キョン「(あいつら、まさかまた見てるんじゃないだろうな!?)」 古・み・長「「「ばっち見てま~すwww」」」 キョン「……やれやれ」 ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 おしまい。
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「あたしも、混ぜてよ。」 昼休み、部室で緊急会合を開いていた俺達の前に、ハルヒが現れた。 ハルヒの顔にいつもの無邪気な笑みは無く、静かに不敵な笑みを浮かべている。 おいおいハルヒ、それはどちらかというと古泉の笑い方だ。お前にそんな笑いは似合わねぇよ。 「いっつもそうやって、あたしを除け者にして面白いことしてたってワケね。」 「なんで朝比奈さんの未来を消した。」 「だって、未来があったらみくるちゃんいつか帰っちゃうじゃない。」 ハルヒはしれっと言ってのけた。そうだ、ハルヒは俺以外の三人の正体についても理解している。 朝比奈さんはいつか未来に帰ってしまうってことも。 でもだからってこれは……ねぇよ。 「涼宮さん、お願いします!未来を返してください!」 「ダーメよ。みくるちゃんは大事なSOS団のマスコットなんだから!未来に帰るなんて許さないわよ! でもみくるちゃんの未来人設定ってのはおいしいから、無くすのはもったいないじゃない? だから、帰る場所の方を消したのよ。」 「そんなの……そんなのあんまりですぅ!」 「嬉しくないの?これでもう未来に縛られることなく、ず~っとこの時代にいられるのよ?」 「涼宮さん、落ちついてください。向こうには朝比奈さんの両親もいるのです。 それを消してしまうのは、いささかやり過ぎかと。」 ハルヒと朝比奈さんの口論に古泉が割って入った。だがハルヒはまったく動じることは無い。 「そんなの関係ないわ。みくるちゃんの居場所はここしか無いはずよ。 あ、それと古泉くん、今までご苦労様。ずっとあたしのご機嫌取りしてくれてたんでしょ? でももうそんなことしなくていいわよ、あたしはもう閉鎖空間をコントロールできる。 自分のストレスぐらい自分で処理するわ。もうあたしのイエスマンを演じなくて済む。嬉しいでしょ?」 「……お言葉ですが涼宮さん、僕は別に自分を偽ってなど……」 「はいはいそれもあたしのご機嫌を取るための演技でしょ? ……有希もそうよね?あたしの監視のために仕方なくここにいるのよね。」 「違う。私がここにいるのは私自身の意思。」 「でもいいわ。いざとなったら全員留年させ……いえ、ずっと時間をループさせ続けるのもいいかもね! 去年の夏休みの時みたいに!我ながら名案だわ!そうすればずっとSOS団は不滅になるし!」 SOS団のメンバーに次々と絡んでいくハルヒを、俺は冷静な目で見ていた。 これでも一年間、ハルヒのことを見ていたんだ。 今ハルヒがどんなことを思っているか、なんとなくだが分かる。だから俺は言ってやるのさ。 「もう……無理すんな、ハルヒ。」 そうだ、コイツは明らかに無理している。そもそも古泉的な笑みをしている時点で気付くべきだったか。 もっともその笑みももう崩れかけているがな。 「……キョン?何言い出すのよ。あたしは別に無理なんか……」 そうは言っているが、ハルヒの笑みは更に崩れている。 お前に無理や我慢は向いてないんだよ。感情を100%表に出してこそのお前だろうが。 「ハルヒ、お前は自分の能力を知ってショックだったんだろ?今まで信じてたものが信じられなくなった。 下手したらSOS団のメンバーも偽りの仲間かもしれない。そう思った。 だから朝比奈さんを無理矢理繋ぎとめるような真似をしたり、 能力を持てて嬉しいんだと自分を偽っているんだ。違うか?」 「……ちが……」 「何が違うんだ?言ってみろ。 悪いが俺には攻める要素なんてまったくないぞ。俺はいたって普通の人間だからな。」 「……そうよ!その通りよ!悪い!?」 ハルヒが怒鳴った。ようやく、ハルヒらしい声が聞けたな。 「アンタに分かる!?自分がとんでもないことをしていたと気付いた時の気持ちが!! 自分の都合で8月を繰り返したり、自分の機嫌で変な空間を生んでたり! 1歩間違えればあたし世界を滅ぼしてたのよ!?」 大声で怒鳴りながらまくしたてるハルヒ。今まで我慢していたものが噴き出しているような感じだ。 「だから全てを知った時、あたしは真っ先に願ったわ!『こんな能力なくなりますように』って! でもそれだけは何度願っても叶わないのよ!こんな能力いらないのに!」 全ての感情を吐き出したハルヒは、その場に崩れ落ちてしまった。 床に水滴が落ちる。……泣いているのか。 「ハルヒ……」 今のコイツに、俺はなんて声をかけてやればいいのだろう。 俺が戸惑っていると、長門がハルヒの元へ歩みよった。 「有希……?」 ハルヒも顔をあげる。目元は真っ赤になっていた。 「あなたに、処置をほどこしたいと思う。」 「処置……?」 「そう。」 長門はハルヒの頭に手をかざした。 「あなたが昨日獲得した情報を、あなたの記憶から消去したいと思う。」 続く